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クラウド豆知識

Tips

普段の業務管理フローのmonday.comでの設定に関する事前準備や進め方のポイント

はじめに

キャップドゥー・ジャパンでは、業務効率化の一環として社内のさまざまな管理業務を monday.com へ移行し、日々の業務進行を一元管理しています。

以前は Excel、スプレッドシート、Googleフォームなど複数のツールを使って「契約状況」「進行中の手続き」「作業進捗」「お問い合わせ管理」などを行っていました。しかし、次第に次のような課題が生まれてきました。

  • ・ファイルが分散し、最新版がどれかわからない
  • ・管理ツールが点在し、契約管理が煩雑
  • ・更新タイミングが人によって異なり、進捗が把握しづらい
  • ・担当者不在時に状況がわからない
  • ・担当者に聞かないと案件の滞留が把握できない

これらの問題を解消するために導入したのが monday.com です。

導入の過程でわかったのは、成果を左右するのは「ツール設定」よりも「事前準備と設計」 だということ。

この記事では、私たちが実際に行った、

  • ①事前準備
  • ②設定の進め方
  • ③運用・改善のポイント

をまとめてご紹介します。

monday.comとは

monday.com(マンデードットコム)は、世界中で使われているクラウド型の業務管理プラットフォームです。

「誰でも簡単に」「チームで使いやすく」をコンセプトに、タスク・プロジェクト・契約・発注・人事・経理など、あらゆる業務を“ボード”と呼ばれる画面で見える化できます。

また、プログラミングなしで自動化や通知設定ができるため、ITスキルがなくても業務効率化を実現できるのが大きな特長です。

事前準備 ―設定の前に整理すべきこと

現状の業務を洗い出す

最初のステップは“現状把握”です。
monday.comの設定に入る前に、現場で扱っている業務をすべて書き出し、「どう管理しているのか」「どんな課題があるのか」を整理しました。

例として、次のような課題が挙げられます。

  • ・Excelでは「誰が・いつ・何を更新したか」がわかりづらい
  • ・メール管理では重複対応や対応漏れが発生しやすい
  • ・紙管理では保管場所の確保が困難

こうした 現行ツールの限界を明確にすると、どこをmonday.comで改善すべきかがはっきりします。

業務フローを“見える化”する

次に、業務の流れを整理します。これは後のボード設計に直結します。

 承認申請フローの例:依頼 → 承認 → 実施 → 完了
 お問い合わせ対応の例: フォーム受付 → 担当者へ通知 → 対応 → 完了

ステップを明確にしておくことで、ステータス設定 や 自動化条件 が設計しやすくなります。

目的を決める

導入目的を明確にすることは最重要ポイントです。

弊社がmonday.comを導入した主な目的:

  1. 1.ステータスの可視化:案件の現在地を全員が即時に把握できるようにする。
  2. 2.期限管理の徹底:契約更新や手続き期限を自動リマインド。
  3. 3.お問い合わせの対応漏れ防止:フォーム連携とChatwork通知で抜け漏れをゼロに。

目的が曖昧なままだと、「便利そうだから」という理由で機能を詰め込みすぎてしまい、結果として複雑なボードになりがちです。

設定担当者・関係者のすり合わせ

monday.com は誰でも触れる反面、初期設計の段階では役割を明確にすることが重要です。

弊社では次の体制で進めました。

  • ・現場代表:実務フローの説明、必要項目の抽出
  • ・設計担当:ボード設計、試作の作成
  • ・管理者 :権限・通知ルールの設定、全体方針の整理

特に初期は 「現場代表1名+設計担当1名」 が最適です。関係者が多いと調整が増え、設定が前に進まなくなります。

項目(カラム)・ルールの設計

monday.comのデータ構造はカラム設計がすべての土台 です。

よく使用している基本カラムは次のとおり。

  • ・案件・顧客名(テキスト・リンク)
  • ・担当者(ユーザー)
  • ・進行状況(ステータス)
  • ・期限(日付)
  • ・コメント(更新履歴)

目的・用途に合わせて適切なカラムを設置することで、誰もが使いやすく「見やすい・入力しやすい・迷わない」ボード を作ることができます。
一方で、目的を定めずにカラムを増やしてしまうと、入力が煩雑になり、現場が使いづらいボードになってしまいます。

また、命名規則の統一は非常に重要です。

 例:案件名 → 「顧客名_内容_日付」

検索性が向上し、自動化の条件設定もしやすくなります。

monday.comでの設定実践 ― 業務別設定の考え方

monday.com の設定は「ボードを作る」だけではなく、業務の流れや特性に合わせて最適な形へ落とし込むことが重要です。同じツールでも、扱う情報・関わるメンバー・必要なステータスが違えば、設計すべきカラムや自動化ルールも大きく変わります。

そこで今回は、当社で実際に運用している代表的な3つの業務を例に、「どのようにボードを設計したのか/どんなカラムや自動化が有効だったか」を具体的に紹介していきます。

承認申請ボード

部署間・従業員間で行き来する作業(申請・承認・処理中)を可視化するボードです。

主なカラム

  • ・ステータス(未処理/申請/上長確認/完了)
  • ・担当者
  • ・申請日
  • ・コメント

自動化例

  • ・ステータスが「申請」になったら上長へ通知
  • ・「完了」になったら別グループへ移動
  • ・期限の2日前に担当者へ通知

完了データのアーカイブタイミングもあらかじめルール化しておくと整然と管理できます。

契約管理ボード

契約内容・更新日・担当者などを一覧化するボード。

主なカラム

  • ・顧客名
  • ・契約サービス
  • ・契約開始日・終了日
  • ・担当者
  • ・更新日(+自動リマインド)

自動化例

  • ・更新日の30日前に担当者へ通知
  • ・更新完了で別グループへ移動

顧客管理ボードをリンクさせると情報に一貫性が出ます。

お問い合わせ対応ボード(フォーム連携)

フォーム入力を自動でアイテム化する仕組みです。

仕組み

  1. 1.顧客がフォームに入力
  2. 2.monday.comに自動でアイテム作成
  3. 3.担当者へ通知

主なカラム

  • ・問い合わせ種別
  • ・顧客名・連絡先
  • ・担当者
  • ・対応状況

フォームと受信内容が1つのボードで完結するため、別画面を開いて確認する手間がなくなり、対応漏れも大幅に減らすことができます。

運用・改善 ― 現場で使いながら育てる

最初は“最低限の構成”で始める

最初から完璧を目指す必要はありません。カラム・自動化を盛り込みすぎると運用が破綻します。まずは 最小構成(ステータス・担当者・期限)でスタート。運用しながら追加するほうが現実に即した設計になります。

チーム内レビューを定期的に行う

運用が始まると課題が自然と浮かび上がってきます。

  • ・入力漏れ
  • ・通知過多
  • ・ビューの乱立

弊社では月1回の「monday.com 定例改善ミーティング」を実施し、

  • ・不要カラムの削除
  • ・グループの整理
  • ・ボードの再設計

といった見直しを行っています。

ビュー(表示タブ)と権限設定で情報整理

情報量が増えても、ビューや権限設定を活用することで整理できます。

  • ・部門別ビュー
  • ・担当者フィルター
  • ・権限の制限(誤編集を防止)

必要な情報だけを表示し、使い勝手を維持することが可能です。

当社で見えた効果

実際の導入による成果は次のとおりです。

  • ・契約更新漏れがゼロに
  • ・問い合わせ対応スピードが大幅に改善
  • ・手続き進捗をチーム全体でリアルタイム共有
  • ・日報データによる業務量の可視化と改善

個人管理だった情報が、チームの共有資産 に変わりました。

スムーズに進めるためのチェックリスト

フェーズチェック項目
事前準備業務フローを図解化できているか/関係者間で認識が統一されているか
設定カラム・自動化・ビューを複雑化せずシンプルに設計できているか
運用開始レビューの場を設けたか/入力ルールを文書化したか
改善不要なカラムや通知を整理しているか

これらを共有しておくことで、導入後の混乱(=運用迷子)を防ぐことができます。

まとめ

monday.comは、単なる「便利ツール」ではなく、業務を整理し直すプロジェクトの起点 です。

成功ポイントはこの3つ。

  • ・事前準備を丁寧に行う
  • ・目的を明確にする
  • ・小さく始め、改善しながら育てる

当社でも最初の3ヶ月で運用ルールを整えたことで、ようやく安定稼働に至りました。今後はAIカラムや自動化をさらに活用していく予定です。

最後に――

monday.comは “現場で育てるツール” です。完璧を目指すより、まずは動かしてみる。

この記事が、導入検討中の方のヒントになれば幸いです。


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