ASTERIA Warpとkintoneの連携で最近設定したフローのご紹介

前回の記事では、ASTERIA Warpとkintoneを連携するための基本設定やシンプルなフロー例をご紹介しました。
今回はその続編として、実際の業務でどう使われているのか、特に「評価集計」の部分にフォーカスします。
「人事評価の集計が毎回大変」
「評価制度はあるけど、Excelでの集計が限界」
「絶対評価と相対評価、どちらも使える仕組みが欲しい」
そんな課題をお持ちの企業様に向けて、今回はお客様と一緒に作り上げた業務評価システムの中から、ASTERIA Warpとkintoneを連携して構築した業務評価システムの事例をご紹介します。
本記事が、みなさまの業務改善を考える際の小さなヒントになりましたら幸いです。
ぜひご一読ください。
➤前回の記事はこちらからご覧ください
評価制度のフロー設計とアプリ構成の仕組み
評価方式に合わせて選べるASTERIA Warpの集計フロー
評価業務は、まず評価表を作成し、そのあと自己評価から最終評価まで入力していく、という流れで進むことが多いと思います。
ここまではkintoneを使うことで、比較的スムーズに運用できることが多いです。
一方で、その後に続く「集計フェーズ」は、現場の負担として挙がりやすい部分です。
例えば、
●点数を集計する
●ルールに当てはめて評価を決める
●結果を別シート・別システムに転記する
といった作業は、人手と時間がかかりやすい部分です。
さらに、企業ごとに評価制度はさまざまで、以下のような違いもあります。
●絶対評価のみで運用している
●相対評価のみで運用している
●期間や部署によって使い分けている
そこで今回の業務評価システムでは、「最終的に1人の社員に適用される評価方式は1つ」という前提を置き、そのうえで集計フェーズをASTERIA Warpで自動化しています。
具体的には、評価集計のフローをあらかじめ「絶対評価フロー」と「相対評価フロー」の二つに分けて設計しました。
これにより、
●今は絶対評価だけ
●将来は相対評価に切り替えたい
●一部のグループだけ相対評価にしたい
といった運用の変化にも、比較的スムーズに対応しやすくなります。
「評価をどう集計するか」という一番手間になりやすい部分を仕組みで支えつつ、各社のルールに寄り添った形で使っていただけることを意識した設計です。
「入力・ルール・結果」を分けたkintoneアプリ構成
また、システム全体の考え方として、kintone側では役割ごとにアプリを分けています。
●評価を入力するアプリ
●評価ルールを管理するアプリ
●評価結果を確認するアプリ
というように、「入力・ルール・結果」を分離することで、あとからの運用変更やルール調整もしやすい構成としています。
絶対評価フローでの実際のフロー
絶対評価とは?
あらかじめ登録した基準点に対して、評価区分を決定して戻すシンプルな構造です。
kintoneの設定
例えば、以下のような基準点(点数)に対する評価区分を設定すると決定したとき、kintoneのアプリには画像のような形で入力するようにアプリを作成しました。
・90点以上:S
・80点以上:A
・70点以上:B

ASTERIA Warpの設定
次にASTERIA Warpでは、以下のような処理を自動化で行えるよう設定しました。
1.kintoneから評価が完成したデータを取得

2.役職・等級ごとの基準点を参照
3.点数に応じて評価を自動判定
4.評価結果をkintoneに書き戻し
ASTERIA Warpの実際のフロー設定画面


相対評価フローでの実際のフロー
相対評価とは?
相対評価とは「グループ配分」と「人数計算」を前段に置いてから順位・ランクを決めるといった割合ルールを決めて評価する方式です。
同点者の扱いや端数処理も、毎回同じロジックで処理されるため、評価の公平性・説明性も向上しています。
kintoneの設定
例えば、以下のようなランクと割合を決定したとき、kintoneのアプリには画像のような形で入力するようにアプリを作成しました。
・S:5%
・A:20%
・B:55%

その他には相対評価では、「グループごとの人数」「配分割合」「点数順の並び替え」など、考慮すべき要素が多くなります。そこで、割合と人数を計算する仕組みもkintoneにアプリを作成し実現しました。
1.グループごとの人数を取得
2.割合から「何人ずつ割り当てるか」を計算

ASTERIA Warpの設定
ASTERIA Warpでは以下の流れを自動化しています。
1.点数順に並べて順位・評価を決定
2.結果をkintoneに反映
ASTERIA Warpの実際のフロー設定画面



評価集計を自動化することで得られた効果
今回の仕組みにより、以下のような効果が得られています。
●集計作業の大幅な時間短縮
●評価ルールのブレ防止
●再集計・見直しへの対応力向上
これまで人が手で行っていた集計や転記の作業をASTERIA Warpとkintoneが担うことで、「集計に追われる時間」を別の業務に充てやすくなっている点も大きなポイントです。
特に、今回のようなフローは、既存の評価ルールはそのまま活かしつつ、kintoneでルールや結果を整理し、ASTERIA Warpがそのルールに沿って集計や書き戻しを行う、という役割分担になっています。
そのため、現場の運用を大きく変えずに、まずは負担だけを軽くしていく進め方が取りやすい構成になっています。
こうした理由から、
「評価制度は変えずに、運用だけを楽にしたい」
という企業様には、ASTERIA Warpとkintoneの組み合わせは非常に相性が良いと感じています。
まとめ:評価制度は「作る」より「回し続ける」ことが大切

今回の事例では、kintoneとASTERIA Warpを組み合わせることで、人手と時間がかかりやすい人事評価の集計業務を仕組み化し、無理なく回し続けられる業務改善を実現しました。
人事評価のように、ルールが複雑で属人化しやすい業務であっても、kintoneを業務の中心に据え、ASTERIA Warpで周辺業務をつなぐことで、運用に合わせた柔軟な自動化が可能になります。
今回は評価システムの中の一機能として、絶対評価・相対評価の集計フローをご紹介しましたが、これはkintone×ASTERIA Warpで実現できる仕組みのほんの一例です。
「ASTERIA Warpに興味はあるけれど、何ができるのか分からない」
「自社業務でも活かせるか相談してみたい」
そんな段階からでも問題ありません。
人事評価に限らず、定型作業や複数システム間の連携でお悩みがあれば、ぜひ一度キャップドゥー・ジャパンまでお気軽にご相談ください。

クラウド豆知識



