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活用事例

Case Study

株式会社ジーアングル様が kotodoor で海外拠点とのコミュニケーションを変革、翻訳の手間を削減し心理的ハードルを解消した仕組みとは

株式会社ジーアングル 代表取締役 髙橋一誠氏

【事業内容】イラスト、映像、音楽など様々なエンターテインメントのデジタルコンテンツの制作やプロデュース
【本社】東京都渋谷区恵比寿1-13-6恵比寿ISビル3F
【HP】https://www.g-angle.co.jp/
【創業】2002年3月29日
【導入部署】全社
【導入ツール】kotodoor AI platform.
【導入時期】2025年8月

イラスト、映像、音楽——。多彩なデジタルコンテンツをワンストップで提供する株式会社ジーアングル。2002年の設立以来、ゲーム関係を中心に、CM、企業VPなど幅広いジャンルで実績を積み重ねてきた。
制作だけにとどまらず、地方創生や商品企画プロモーションなどの提案も行っている。

現在は東京・恵比寿の本社をはじめ、荻窪、札幌、福岡、そしてフィリピン・セブ島の5拠点を展開。セブ支社には約35名の現地スタッフが在籍し、プログラマー、イラストレーター、映像、音楽など、多様な分野で日本チームと連携しながら業務を進めている。

海外拠点との協業が日常となる中で、ジーアングルが直面していたのが「言葉の壁」だった。その課題を解決するために導入したのが、Chatwork上で動作するAI翻訳ボット『kotodoor AI platform.(コトドア)』(以下、kotodoor)だ。

グラフィック事業部 部長としてイラスト制作部門を統括する千葉麻美様と、フィリピン支店との架け橋として日本とセブを繋ぐオフショア戦略室室長の與儀太一様に、kotodoor導入の経緯と効果について話を伺った。

今回取材に対応いただいた、株式会社ジーアングル 千葉麻美氏(左上)と與儀太一氏(右上)

翻訳ツールを挟む手間と、心理的ハードル

フィリピン・セブ支社との日々のやり取りで、ジーアングルが抱えていたのは、単なる「言葉の壁」だけではなかった。翻訳の煩雑さ、精度への不安、そして何より「英語でコミュニケーションを取る」ことへの心理的なハードル。これらが複雑に絡み合い、海外拠点との連携を阻んでいた。

翻訳のたびに外部ツールを経由する煩雑さ

導入前、セブのメンバーとのやり取りは、基本的に翻訳ツールを経由する必要があった。

「チャットでのやり取りでは、一度必ず翻訳ツールを経由しなければならないのが煩わしくて。一回一回の手間は小さいと言えば小さいんですけど、それが積み重なると、かなり負担に感じられるようになっていました」

千葉様はそう振り返る。メッセージを書く→Google翻訳などに貼り付ける→翻訳された英語をコピー→チャットに貼る。
この一連の作業は、一度や二度なら気にならない。しかし、日に何度も、何十回も繰り返すうちに、確実にストレスとなっていく。しかも、相手からのメッセージを読む際にも同じ手順が必要だ。

さらに、過去のやり取りを振り返る際にも問題があった。
英語で返信すると、自分が考えていた日本語は残らず、後から振り返った時に、「自分が何を言っていたのか分からない」という状況が起きていた。
案件を遡ったり、ちょっと確認したいことも、そのためにまた翻訳作業を挟まなければならない。

「英語ができないから仕事を頼めない」という見えない壁

こうした物理的な手間以上に深刻だったのが、心理的なハードルだった。

「今まで『英語ができないから仕事をお願いできない』と思っていた人が多かったんです」

と千葉様が話すように、「英語でやり取りする」というだけで、セブ支社への依頼をためらってしまう。手間がかかる、うまく伝わらないかもしれない——そんな不安が、現場のメンバーとセブ支社との連携を阻んでいた。

同時に、通訳を担う存在への依存も大きかった。案件の説明後、細かい指示や質問のやり取りでも通訳を介する必要があり、「通訳者がもう凄く忙しい」「二度手間がすごいあった」と、與儀様は当時を振り返る。その負担は決して軽くはなかったようだ。

株式会社ジーアングル 東京本社

無料お試しわずか二週間、「ないと困る」の声が続出

こうした課題を解決するきっかけとなったのが、上司からの「使ってみて」という一言だった。

「ちょうど無料お試しの期間があるということで、まずはトライアルで使わせていただきました」とすぐにトライアルに申し込んだが、当初は「本当に使えるの?」半信半疑な空気もあったという。しかし、実際に使い始めると、その評価は一変する。

kotodoorの仕組みはシンプルだ。Chatwork上でメッセージを入力し、翻訳したい言語のBotにメンションするだけで、自動的に翻訳されたメッセージが投稿される。新しい操作を覚える必要も、外部ツールを開く手間も、一切ない。その手軽さを実感した現場の反応は、予想以上だったようだ。

kotodoorのデモ操作

「2週間使った時点で依存している人がいて(笑)。『これなくなったら困る』という声が上がるほどでした」

わずか2週間で、kotodoorは現場に欠かせないツールとなっていたのだ。実際、無料期間終了後の手続きの都合で一時的にサービスが停止した際には、「もうこれ動かないんですけど」と、問い合わせが相次いだという。

導入の決断を後押ししたのは、費用面での納得感と、既存ツールとの親和性だった。

「費用面も、『これぐらいなら問題ないのでは?』という判断でした。それに、もともとChatworkを使っていたので、それも大きな決め手になりましたね」

新たなツールの使い方を学ぶ必要がなく、慣れ親しんだChatwork上でそのまま翻訳機能が使える——この手軽さが、現場への浸透を加速させた。

実際にChatwork上でkotodoorを活用している画面

時短だけじゃない。コミュニケーションの質まで変わった

kotodoorの導入によって、ジーアングルのコミュニケーションは大きく変化した。

翻訳の手間が消え、業務効率が向上

もちろん、まずは冒頭にあげていた、翻訳の手間。

「翻訳ツールを挟まなくていいというのは、本当に楽になりましたね。それに、案件を遡るスピードも格段に上がりました。英語で書かれたままだと読むのに時間がかかるんですけど、日本語で残っていると、ひと目で内容が把握できるんです」

Chatwork上でメンションするだけで翻訳が完了する——このシンプルな仕組みが、コピー&ペーストの一連の作業から解放され、さらには読み返しの時間的な負担も大幅に削減された。

また、通訳者の負担も軽減された。
案件の説明後、細かい指示や質問のやり取りでも通訳を介する必要があったが、今では担当者同士が直接コミュニケーションを取れるようになった。通訳者は本来の業務に集中でき、現場の担当者もスムーズに仕事を進められる——kotodoorは、組織全体の業務効率を底上げしたのだ。

心理的ハードルが解消され、誰でも依頼ができるように

「今まで『英語ができないから仕事をお願いできない』と思っていた人が、『これなら自分でもできるかも』と気づいて。それで実際にセブに仕事を振るようになったというのは、本当に大きな変化ですね」

kotodoorは技術的な問題だけでなく、心理的なハードルも解消した。英語ができないことで感じていた「申し訳なさ」や「不安」が消え、誰もが気軽にセブ支社とやり取りできるようになり、以前は英語が得意な一部のメンバーに依存していた海外拠点とのやり取りが、今では誰でも担当できるようになった。

これにより、案件の割り振りの自由度が上がり、組織全体のリソースを最適に活用できるようになったのだ。

深いコミュニケーションへ

「今までは浅いコミュニケーションだったのが、深いコミュニケーションになったと感じています。文面から性格や人柄が伝わってくるようになったんです」

千葉様が話すように、kotodoor導入前は「Thank you」などの簡単なやり取りが中心だった。しかし、導入後は、より詳細なニュアンスや感情を伝えられるようになり、相手の人柄まで感じられるようになった。

「この人はすごく丁寧だな」「この人はこういう性格なんだな」——文面から伝わる情報が増え、海の向こうにいるメンバーが、同じチームの一員として近く感じられるようになったのだ。

kotodoorの導入は、翻訳や心理効果だけでなく、社内の新しい課題発見にもつながっていた。

それは、『社内用語の整理』だ。

「社内用語が英訳されてしまうと、意味が通じなくなってしまうことがある」と、業界特有の専門用語や、社内でしか通じない言い回しは、そのまま翻訳ツールにかけても意図が伝わらない。

kotodoorを通じて翻訳された文面を見ることで、「これって伝わんないよね?」「ここが誤解を招いてるな」といった課題が可視化された。その結果、どの言葉を別の表現に変えるべきか、どのように説明すれば伝わるかを、日々のやり取りの中ですり合わせていけるようになった。

kotodoorは、単なる翻訳ツールではなく、組織のコミュニケーションを見直し、より伝わりやすい言葉を選ぶきっかけにもなったという。

発注から雑談まで、日常に溶け込むkotodoor

こうした効果を生み出すkotodoorは、今やジーアングルの日常業務に完全に溶け込んでいる。

セブ支社とのコミュニケーションは、ほとんどkotodoorを介して行われている。イラスト制作における細かい指示出しから、修正依頼、確認作業まで——制作フローのあらゆる場面で、kotodoorが活躍しているのだ。

しかし、kotodoorの活躍は業務シーンだけにとどまらない。

「セブと日本でハロウィンパーティーをやったんですけど、その様子とかを写真付きでチャットで共有してもらったりとか。そういったちょっとした雑談みたいなコミュニケーションの中でも使わせていただいております」

仕事の話だけでなく、イベントの写真を共有したり、何気ない会話を楽しんだり——kotodoorは、チームの一体感を生む雑談の場面でも、自然に使われるようになっていた。

こうした何気ないやり取りが、海を越えたチームの距離を縮めている。

ハロウィンパーティーの様子もkotodoorを使って共有。漢字翻訳も正しく変換されている。

「時間を有効に使う」と「視野を広げる」——お二人が語るkotodoorの価値

英語習得に時間をかけるより、ツールを使って効率的に

最後に、kotodoorの導入を検討している企業へ向けて、二人からメッセージをいただいた。

「英語を習得するのに2000時間かかると言われているんですけど、それだけの時間をかけるよりも、こういうツールを使って効率的にコミュニケーションを取った方が、絶対にいいと思います」

一日一時間勉強しても六年かかる——その時間を、ピアノやプログラミング、ヨガなど、別のスキルや趣味に投資した方が、人生を豊かにできるのではないか。與儀様の言葉は、英語学習の必要性を問い直すものだった。

「文明の利器と言いますか、そういうのを使って翻訳の英語の部分は全部任せた方が、効率がいい人生を過ごせるんじゃないかなって個人的には思ってます」

心の距離が縮まり、視野が広がる

千葉様からは、別の視点でのメッセージが寄せられた。

「やはり心理的ハードルはかなり下がると、ずっと海の向こうの人だと思ってたけど、あ、同じ人間だし、同じ仕事で悩んでいるところも一緒で。心の距離がかなり縮まる気がしている」

英語ができないというだけで、視野が狭くなってしまうのはもったいない。kotodoorを使うことで、業務効率という側面だけでなく、心の距離が縮まり、視野が広がる——そんな体験を、ぜひ多くの人にしてもらいたい。千葉様の言葉には、そんな思いが込められていた。

さらに、社内からはこんな声もいただいた。
「通訳翻訳者の雇用は、企業の負担も大きいですが、テキストを自動翻訳できるkotodoorは、とても使い勝手が良いです。『Google翻訳を経由すれば同じでしょ?』と思っている方は、電車で、東京から横浜まで1本で行ける路線と、途中で乗り換えが必要な路線をイメージしていただければ、どれだけ負担が減るかご理解いただけるかもしれません。ぜひ、テスト導入をお試しください」

この例えは、まさにkotodoorの本質を表している。目的地(翻訳結果)は同じでも、そこに至るまでの負担がまったく違う——その違いが、日々の業務効率と心理的なストレスに大きく影響するのだ。

グローバル展開を支える基盤として——ジーアングルとkotodoorの未来

翻訳ツールを挟む煩雑さ、専門用語の翻訳への不安、チャット履歴の確認しづらさ、そして「英語ができないと仕事を頼めない」という心理的なハードルなど、ジーアングルが抱えていた複合的な課題は、kotodoorの導入によって大きく改善された。

業務効率が向上しただけでなく、コミュニケーションの質が変わり、心理的なハードルも解消された。今やkotodoorは、業務シーンから雑談まで、ジーアングルの日常に完全に溶け込んでいる。

「多様なジャンルをワンストップで提供する」という強みを持つジーアングル。その実現には、東京、札幌、福岡、荻窪、そしてセブ——五つの拠点が、まるで一つのチームのように連携することが欠かせない。kotodoorは、その連携を支える重要な基盤となっている。

そして今、ジーアングルは新たな展開を見据えている。中国語圏や韓国語圏など、さらなるグローバル展開の可能性が広がる中で、kotodoorへの期待はますます高まっている。言葉の壁を越え、世界中のメンバーと自然につながり、共に価値を生み出していく——その未来に向けて、ジーアングルとkotodoorの歩みは続いていく。

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