キャップドゥー・ジャパンの実践知から選ぶ ― monday.comで“動く運用”をつくる機能厳選
はじめに
キャップドゥー・ジャパンでは、社内業務の大半(問い合わせ、リード/顧客、案件、プロジェクト、契約管理 など)をmonday.com上で運用しています。
現場で試し、改善し、また広げる――その繰り返しで得た実践知を、お客様へのご支援にも活かし、公式パートナーとして導入〜設計〜自動化〜定着まで伴走支援をしています。
monday.comは、「ボード(表)」と「カラム(列)」で仕事を可視化し、AIや自動化まで同じ土台で動かせる“Work OS”です。フォームで集まった情報がボードに並び、担当にアサイン(割り当て)され、期日が近づけばリマインド(確認通知)される――そんな“動く運用”を拡張機能なしでノーコードで組み立てられます。
実際にキャップドゥー・ジャパンでは、非エンジニアでも社内の業務システムをmonday.comで構築しています。
➤非エンジニアがmonday.comの設定をやってみた。~契約管理と手続き状況を“見える化”して気づいたこと~
本記事では、多くの機能を検証してきた中から、日々のオペレーションに組み込み、実際に効果を実感している機能を厳選して紹介します。「どの機能が、どんな場面で効いたのか」にフォーカスし、具体的な社内実例とともにお伝えします。
monday.comとは
monday.com Work OS は、ローコード・ノーコード型プラットフォームとしてソフトウェアの力を民主化し、組織が自社のあらゆるニーズに応じた業務管理ツールやアプリケーションを簡単に作成できるようにします。
便利なカラム(列) ― 日々のオペレーションを支える基本の仕組み
monday.comの世界では、
●ボード=プロジェクトや業務単位の「管理表」
●アイテム=ボードの中の1つ1つの案件やタスク
●カラム=列(ステータス・日付・担当者など)
という構造になっています。
これらを組み合わせるだけで、業務の“見える化”と“自動化”を同時に実現できます。
そこで本稿では、キャップドゥー・ジャパンが日々の運用で特に効果を実感している3つのカラムを、活用イメージと社内実例とともにご紹介します。

ボード接続カラム
<概要>
別ボードのアイテムをリンクでつなぎ、関連情報を一元的に参照できるカラムです。
部署や用途ごとに分かれたボードを“つなぐ”ことで、業務をシームレスにします。
<活用ポイント>
●他ボードのアイテムをリンクし、同一画面で参照可能
●情報間の行き来や転記の手間を削減
●二重入力を防ぎ、単一の情報源(Single Source of Truth)を維持しやすくなる
<社内実例>
見込み案件が発生した際、「企業情報」ボードの[新規案件作成]ボタンをクリックすると、自動化により「見込み案件管理」ボードにアイテムが自動生成され、企業名・基本情報がリンクされます。
この仕組みにより、ボードを切り替えて企業情報を探す必要がなくなり、転記も不要に。
営業・管理・バックオフィスの間で情報を一貫して扱えるようになりました。


数式カラム
<概要>
エクセルのような複雑な数値計算もテキスト生成も対応。ボードの中で「計算+成形」まで完結します。
※プロプランとエンタープライズプランで利用可能です
<活用ポイント>
●単価×数量、割引、税、端数処理などの金額計算
●契約満了日や期日までの日数などの日付計算
●IF文による条件分岐や文言自動切り替え
●文字列結合で件名・本文の雛形生成
<社内実例>
キャップドゥー・ジャパンではタスク管理もmonday.com上で運用しており、「予定時間」と「実働時間」の差分を数式で自動計算し、超過時にはステータス変更と通知を自動連動させています。
さらに契約案内では、契約開始日から満了日を自動算出し、件名や本文テンプレートも数式で生成。これにより、入力ミスや案内漏れを防ぎ、全社で統一されたフォーマットを保てています。


タイムライン+状況カラム
<概要>
タスクの期間と進捗をひと目でそろえ、リマインドまで仕組み化する基本セット。プロジェクト対応遅れの芽を早めに潰せます。
<活用ポイント>
●開始日〜終了日をタイムラインで可視化
●期日前リマインドや遅延アラートを自動通知
●ステータスで進捗を色分け(未着手/対応中/完了/遅延など)
<社内実例>
キャップドゥー・ジャパンではプロジェクト管理で活用しています。
締切を過ぎて未完了のタスクはタイムラインが赤く表示され、状態が直感的に判別可能。
また、期限接近や遅延時の自動通知を設定し、チーム全体で先回りの対応ができるようになりました。
プロジェクトマネージャーが全体を俯瞰しやすくなり、抜け漏れ防止にも効果を発揮しています。

AIカラム ― 入力や整理をAIに任せる
monday.comにはAIが標準搭載されており、ボード上でAIカラムとして使う/AI自動化として流れに組み込む、の両方ができます。
AIのメニューからは、文章作成・要約・改善・翻訳、情報抽出、センチメント(感情)検出などのブロックを選んで設定できるため、業務の時間短縮に大いに役立ちます。
※製品・プランにより利用可否や上限が異なります
monday.comのAIは、定型処理をAIに任せることで日常業務における“ひと手間”を削減し、人にしかできないより創造的な業務に集中できる環境をつくることを目的としています。
ここでは、実際の業務で活用している2つのAIカラムをご紹介します。

ファイルから金額などを自動抽出
<概要>
請求書・見積書・契約書などのファイルをアップロードするだけで、AIが自動的に金額や日付、発行元などの情報を抽出し、ボード上に反映します。
<活用ポイント>
●PDFや画像ファイルをドラッグ&ドロップするだけで内容を読み取り
●金額・日付・発行元を自動入力
●書類の見落としや入力ミスを防止
<社内実例>
受領した見積書や請求書をmonday.comのボードにアップロードし、AIカラムで金額・発行日を自動抽出。
従来は1件ごとに手入力していた作業が不要になり、チェックのスピードも格段に向上。
特に複数取引先の請求データを扱うバックオフィス業務では、処理時間が従来の半分以下に短縮されました。


Write with AI(文章構築支援)
<概要>
AIが入力内容をもとに、文章の生成・要約・整形を支援するカラムです。
レポート作成や顧客向けメッセージの下書きなどに活用できます。
<活用ポイント>
●担当者コメントや報告文をAIが自動整形
●顧客宛メールや依頼文の下書きを生成
●長文メモを要約し、要点を抽出
<社内実例>
お客様からの問い合わせ本文をAIで一次解析(要約・論点抽出・トーン提案)し、返信の下書きを自動生成。担当者は事実確認と微調整だけ行って送信する運用に切り替えました。
これにより文章作成時間を平均で約30%削減。人が担うべきヒアリングや状況整理に、より多くの時間を割けるようになりました。

自動化(オートメーション) ― 定期的な作業をシステムに任せる
monday.comの自動化は、「特定の条件を満たしたときに、決まった処理を自動で実行する」機能です。
通知・作成・更新・外部連携など、日常的なルーチンワークを削減し、チームの生産性を高めます。

残業申請の承認フロー
<概要>
monday.comの自動化で、残業申請の起票〜承認/却下〜通知までをノーコードで“流れる”仕組みに。ステータス変化を起点に、関係者への通知や状態更新、条件分岐まで自動で行います。
<活用ポイント>
●トリガーはステータス変更(ボタンでも可)
●承認/却下の条件分岐や再申請ルートを設定可能
●履歴が残るため、月次集計や監査もスムーズ
<社内実例>
キャップドゥー・ジャパンでは、社員が残業申請理由など記入し、ステータスを「申請」に切り替えると、上長へ自動通知が飛び、同時にステータスは「申請中」に変わります。その後は実働時間の記録までつながるフローを組んでいます。
この仕組みにより、チャットやメールでの個別連絡が不要になり、承認の往復時間を短縮できました。さらにmonday.com上で残業時間を自動集計することで、案件ごとの投入時間やメンバーの負担率が可視化され、進捗の見直しやリソース配分の調整にも役立っています。


ステータスに合わせたメール送信(Gmail/Outlook連携)
<概要>
GmailやOutlookと連携し、ステータス変更などのタイミングで自動メールを送信できます。
<活用ポイント>
●「ステータスが完了になったらメール送信」など条件設定が可能
●メール本文にボードの値(顧客名・金額・期日など)を差し込み可能
●Gmail/Outlook連携で既存アカウントから自動送信
<社内実例>
契約ボードで「完了」などのステータス変更を起点に、顧客宛の完了報告・更新案内メールを自動送信しています。
これにより、担当者の送信漏れがなくなり、営業・管理間の進捗共有も自動化されました。
通知の標準化により、社内外のコミュニケーション精度が高まりました。

monday.comを「現場で動く運用基盤」に
今回紹介した3つのカテゴリ(便利なカラム・AIカラム・自動化)は、すべて「データを動かす仕組み」という共通点を持っています。
単に情報を記録するだけでなく、入力・処理・通知までを自動でつなぎ、業務全体を“運用できる状態”にすることができます。
キャップドゥー・ジャパンでは、
●便利なカラムで情報を整理し、見える化
●AIカラムで入力・整形を効率化
●自動化で運用を止めない仕組みを構築
この三層構造によって、日々の業務を「管理」から「実行」へと進化させています。
monday.comは、現場が自ら仕組みを動かし、改善していける柔軟なプラットフォームです。
まずは“動かす”体験から。monday.comの無料トライアル(Proプラン相当)で、今回の設計をそのまま試せます。
また、ご導入の際は、公式パートナーとして、ヒアリング〜設計〜定着まで伴走いたします。

クラウド豆知識




