キャップドゥー・ジャパン社内におけるiPaaS・RPA活用事例~データ活用の実践から生まれる生産性向上~
1. はじめに ― 「まず自分たちが実践者であること」

全国の中小企業や自治体のデータ活用支援を行うキャップドゥー・ジャパンでは、
お客様に提供するソリューションや提案の説得力を高めるために、 「まず自分たちが実践者であること」を大切にしています。
私たちは日々、全国の企業様が抱える「データの分断」「属人化」「転記作業の多さ」といった課題に向き合っています。
しかし、そのような課題は、実は私たち自身の社内業務にも存在していました。
たとえば、お問い合わせ対応や帳票作成、進捗報告、ファイル共有など、 小さな事務作業が積み重なることで、貴重な時間が奪われてしまうことがありました。
こうした課題を解決するために、私たちはRPAやZapier(ザピアー)などの自動化ツールを積極的に導入し、 「人がやるべき仕事」と「機械が代わりにできる仕事」を整理するところから始めました。
2. 背景と目的 ― 属人化から“仕組み化”へ
社内業務には、日々多くの情報がメールやシステム上で発生しています。
たとえば、お客様からの問い合わせ、請求書データ、案件の進捗報告など。
それらを一つひとつ手動で確認し、対応するには相当な時間がかかります。
「情報が来ているのに、誰が対応するか分からない」
「同じ情報を複数のシステムに入力している」
「業務が属人化していて、他の人が代わりに対応できない」
これらは、成長を続ける組織が必ず直面する課題です。
キャップドゥー・ジャパンでは、こうした課題を「自動化」で解決し、 データを“活かせる形で流す仕組み”を構築することを目的に取り組みを開始しました。
目的は大きく3つです。
1.社内業務の効率化と生産性向上
2.属人化を防ぎ、誰でも対応できる業務体制の構築
3.自社で得たノウハウをお客様の支援にフィードバックする
3. 活用しているツールと連携の考え方
キャップドゥー・ジャパンでは、業務の性質に応じて複数の自動化ツールを使い分けています。
●iPaaS:ZapierやBizteX Connectといったクラウドサービス間のデータ連携を自動化するツール
●RPAツール:MICHIRU RPAやBizteX cobitといったPC操作やシステムアクセスを自動化するツール
●Chatwork:通知・報告・タスク管理のハブとして活用
Zapier(ザピアー)は、クラウドツール同士の情報連携を得意とするため、 メール・フォーム・チャット・スプレッドシートなどを橋渡しする役割を担っています。
一方でRPAは、ブラウザやアプリケーションの操作を代行し、 人の手作業を再現して自動実行する“デジタル作業員”として稼働しています。
これらを組み合わせることで、「社内の情報が分断されずに流れる仕組み」を実現しています。

4. Zapier活用事例 ― お問い合わせ対応を完全自動化
Before:メール確認にかかる手間とリスク
これまで、ホームページからのお問い合わせはメールで受信していました。
担当者がその都度内容を確認し、Chatworkに手動でタスクを作成していました。
しかし、問い合わせ件数が多い時期には、 「確認が遅れて対応が後回しになる」「タスク登録漏れが発生する」といった課題が生じていました。
一見シンプルな作業でも、日常的に繰り返すと大きな時間ロスになります。
After:Zapierで“受信から通知まで”を完全自動化
そこでZapierを活用し、お問い合わせメールを自動で分類・転記する仕組みを構築しました。
Zapierが新規メールを検知すると、件名や本文を解析し、 お問い合わせの「種別(例:導入相談/技術サポート/採用など)」を自動判定します。
その上で、種別ごとに設定したChatworkグループへ、自動でタスクを作成・担当者を割り当てます。
これにより、メールを開く手間がなくなり、即時に担当者へ通知されるようになりました。
確認漏れや対応遅れといったリスクはゼロに。
また、タスク登録が自動化されたことで、「対応した/していない」の可視化も実現しました。


効果と反響
- ●毎日の問い合わせ確認作業をほぼ自動化
- ●タスク割り当てのスピードが平均で約3倍向上
- ●対応漏れゼロ、確認負担も大幅軽減
「メールを開かなくても自動的にChatworkにタスクが届くようになりました。
手動での振り分けがなくなり、業務のリズムが整いました。」
クラウドサービスの活用が進む中で、さまざまなツールから情報が流入します。
Zapierを活用することで、それらの情報を一元化し、 「誰も見落とさない」業務体制を築くことができました。
5. RPA活用事例 ― ファイル転送業務の自動化で時間を創出
Before:毎月の定型作業にかかる手間
税理士の先生とのやり取りで必要となる各種ファイルは、 担当者が手動でシステムにアクセスしてダウンロードし、 Googleドライブの指定フォルダにアップロードしていました。
この一連の作業は単純ながらもミスが許されず、 「忘れずに行う」「ファイル名を間違えない」「アップロード後に報告する」といった確認が必要でした。
After:RPAで完全自動化 ― ダウンロードから通知まで
この業務をRPAで完全自動化しました。
RPAが指定時間にシステムへ自動ログインし、必要なファイルを取得。
そのままGoogleドライブの所定フォルダへ格納し、 Chatworkに「完了通知」を送信します。
さらに、実行に失敗した場合もChatworkに自動通知する仕組みを追加。
手動での確認作業が不要となり、担当者は結果だけを確認するだけで済むようになりました。


効果と反響
- ●毎月の手動作業時間を数時間削減
- ●作業忘れやファイル名ミスがゼロに
- ●税理士の先生からも「他の顧問先にも導入したい」と高い評価
「気づいたらファイルが整理されている状態になりました。
作業というより“自動で終わる仕事”という感覚です。」
RPAによる業務の自動化は、単なる省力化ではなく、 人の集中力を必要とする仕事に時間を割けるようにする仕組みとして、 確実に効果を発揮しています。
6. キャップドゥー・ジャパンの工夫と運用ノウハウと変化
自動化を成功させるために、私たちは次のような工夫を重ねてきました。
●小さく始める:最初から全社導入せず、1部署・1業務単位でトライアル
●テンプレート化:ZapやRPAのシナリオを汎用化し、他部署へ展開しやすく整備
●通知の一元管理:Chatworkを“社内の情報ハブ”として活用し、すべての結果を集約
●ノーコード重視:プログラミング知識がなくても運用できる仕組みに
こうした段階的アプローチにより、ツールを使う文化が自然と根づきました。
今では「この作業、Zapでできない?」「RPAで自動化してみよう」という声が 現場から自然に上がるようになっています。
また、これらの取り組みの結果、社内では以下のような成果が見られています。
●普段の定例作業の約6割を自動化により削減
●メール確認や転記ミスをほぼゼロ化
●社員の業務ストレス軽減とモチベーション向上
●社内自動化の成功体験をお客様支援に応用可能に
業務の“仕組み化”が進んだことで、社員が「改善を考える時間」を持てるようになりました。
単なる効率化ではなく、自動化を通じて新たな価値を生み出す時間を創出する――
それが、キャップドゥー・ジャパンが目指すDXの姿です。
7. 今後の展望 ― 自動化からAI連携へ

今後は、RPAやZapで蓄積されたデータを活用し、 AIとの連携による自動最適化にも取り組んでいく予定です。
ChatGPTをはじめとする生成AIを業務に組み合わせることで、 自動化の“次のステージ”を見据えています。
さらに、社内でのノウハウを基に、 お客様が自社で自動化を進められるような「内製支援」や「教育サポート」にも力を入れていきます。
8. 結び ― 自動化の先にあるのは「人が活きる働き方」
「自動化は“ただの仕組み”ではなく、“人の時間を取り戻すための技術”です。」
キャップドゥー・ジャパンでは、単にツールを導入するのではなく、「人がより創造的に働ける環境をつくること」を目的としています。RPAやZapierは、そのための“ひとつの手段”です。
私たちはこれからも、自らの業務で実践した知見を全国の企業や自治体に還元し、 日本全体のデータ活用と生産性向上に貢献してまいります。
「自社の業務を自動化したいけれど、どこから始めればよいか分からない」
「ZapierやRPAを導入したいけど、ライセンスや構築まで一貫して任せたい」
といった企業様は、無料トライアルで実際の操作感や効果をお試しください。
社内環境や目的に合わせた自動化の設計から、トライアル環境の構築までサポートいたします。また、今回ご紹介したRPAツールを始めとした各種クラウドサービスのライセンスはキャップドゥー・ジャパン経由でご購入いただけます。
導入後の保守・運用サポートも一貫して対応しておりますので、 安心して継続的にご利用いただけます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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