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スマレジEC・B2B(旧楽楽B2B) for kintoneの導入の進め方

スマレジEC・B2Bとは

元々「楽楽B2B」と呼ばれていた本サービスは、2024年12月に株式会社スマレジが株式会社ネットショップ支援室を完全子会社化したことに伴い、PMI(Post-Merger Integration)の一環として、EC領域のサービスブランドが一新されました。

このブランド刷新は 2025年11月4日 にリリースされ、ネットショップ支援室が提供していたBtoB受発注をWeb化するクラウドサービス「楽楽B2B」は、「スマレジEC・B2B」 へ名称が変更されました。

本記事でご紹介する kintone 連携プラグインは、このサービス名変更に伴い、従来の「楽楽B2B for kintone」から、サービス名が変更された 「スマレジEC・B2B for kintone」 について、そして導入の進め方をご紹介します。

スマレジEC・B2B for kintone(旧 楽楽B2B for kintone)とは

「スマレジEC・B2B」は、法人向けのBtoB受発注システムです。FAXや電話での注文をWEB注文に切り替えることで、企業間の受発注取引を効率的に運用・支援するクラウドサービスとなっています。

「スマレジEC・B2B for kintone」は、このBtoB受発注システム「スマレジEC・B2B」と、サイボウズ株式会社が提供する業務改善クラウドサービス「kintone(キントーン)」を連携させるためのプラグインです。この連携により、BtoB取引の「見える化」と一元管理が可能になります。

kintoneは、営業の案件管理、問い合わせ履歴、プロジェクト進捗、業務日報など、顧客の用途に合わせた業務アプリをノンプログラミングで作成できるプラットフォームです。この強力な業務アプリ開発基盤とBtoB ECシステムを連携させることで、以下の課題解決を目指します。

スマレジEC・B2Bとkintoneの連携図

受発注業務の煩雑さの解消
FAXや電話でのアナログな受発注業務をWEB化し、作業時間や人為的ミスを大幅に削減します。

見込み顧客管理の強化
契約前の見込み顧客情報をkintone上で一元管理し、営業活動の可視化と効率化を実現します。

取引データの分散管理の解決
「スマレジEC・B2B」の売買データがkintoneに自動で蓄積され、取引履歴の確認や分析が容易になります。

この連携により、受注から出荷までの既存業務フローを大きく変えることなくWEB受注が可能となります。さらに、他のkintoneアプリと組み合わせることで、受注・会計・販売管理・顧客管理業務をオールインワンで効率化できることが期待できます。

どのような企業にオススメか?

「スマレジEC・B2B for kintone」は、主に以下のような課題を抱える企業や、特定の商習慣を持つ企業に最適です。

アナログな受発注業務に時間と工数がかかっている企業

FAXや電話、メールでの注文が多く、手作業による入力や確認作業に追われている企業に推奨されます。

●受注業務が属人化している企業
Web化により業務の属人化を防ぎ、最大80%の効率化を実現。

●バックオフィス業務に時間が割かれている企業
受注業務に1日7時間、週2日以上費やしている場合でも、Web化で時間を大幅削減(年間約2,400件の受注業務で98%削減の事例あり)。

●入力ミスや誤発注が多い企業
FAXの文字潰れや読み間違いによるミスをWeb化で防止。FAX受注率を100%から0%に減らし、人為的ミスを大幅削減した事例もあります。

 取引先ごとの複雑なルール管理が負担になっている企業

BtoB取引特有の複雑な商習慣をデジタルで管理したい企業に有効です。

●卸価格や決済手段が取引先ごとに異なる企業
商品ごとの卸価格を「掛け率」や「指値」で設定可能。請求書払い、クレジットカード払い、掛け払いなど取引先ごとに表示を切替可能。

●販路や表示商品を制御したい企業
取引先別に表示商品や価格を設定可能。特定の取引先向けのクローズドECサイトや、新規開拓用スモールECサイトの運営にも対応。

 kintoneを活用して業務の一元管理と分析を強化したい企業

kintoneプラグインを導入することで、データ活用を中心とした業務改善を目指す企業に適しています。

●見込み顧客から受注後のフォローまで一元管理したい企業
契約前の見込み顧客情報をkintoneで管理し、営業活動を可視化・効率化。

●取引データに基づいた営業戦略を立てたい企業
見積・受注・商品マスタ情報を自動でkintoneに蓄積し、売買分析を容易に実施。

●基幹システムや会計システムとの連携を柔軟に行いたい企業
受注・会計・販売・顧客管理をオールインワンで解決。ERP/会計システム、WMS、送り状発行サービスなどとのAPI/CSV連携も可能。

具体的な導入事例から見る適用業種

食品・コーヒー:受注・在庫・取引の一元管理、新規取引先獲得、営業工数削減
工業用品・パーツ:問い合わせ対応減少、生産性向上、誤発注の激減
理化学機器・分析装置:受注プロセス自動化、受注業務時間98%削減
ペット用品:受注業務時間の大幅削減、ついで買いの増加
家具・インテリア:手書き帳票からの脱却、ランニングコスト削減
美容・健康:FAX受注の手入力廃止、年間480時間の工数削減

導入プロジェクトの最適な進め方

「スマレジEC・B2B for kintone」の導入プロジェクトを成功させるには、単にシステムを導入するだけでなく、従来の商慣習とデジタル環境を融合させる進め方が重要です。

導入は主に以下の 4つのフェーズ で進めるのが最適です。

フェーズ1:計画・準備(P:Plan)

1. 導入目的と目標設定の明確化
・なぜBtoB ECとkintone連携が必要なのか(例:アナログ業務の最大80%効率化、新規販路開拓、取引データの一元管理と分析強化)
・KPI(重要業績評価指標)を設定(例:受発注処理時間の削減率、FAX受注率の目標値、新規取引先獲得数)

2. 現状の業務フローと課題の棚卸
受注から出荷、請求、顧客管理に至る業務フローを詳細に洗い出し、ボトルネックとなるアナログ作業(FAX入力、価格手動設定、問い合わせ対応など)を特定

3. 必要な機能と連携要件の定義
自社の商慣習(ロット設定、週間発注、代理注文、特定商品の出し分け、複雑な承認フローなど)に対応するために必要な「スマレジEC・B2B」の機能と、kintone側で管理・連携するデータ項目を定義

フェーズ2:システム構築・設定(D:Do – システム基盤の確立)

1. 「スマレジEC・B2B」の基本構築と設定
・BtoB ECサイトのフロントページデザインを構築(発注側が使いやすいデザインが重要)
・取引先ごとの価格設定(掛け率/指値)や表示商品(販路設定)の設定
・取引先ごとの決済方法(請求書払い、クレカ払い、掛け払いなど)の設定

2. 「kintone」側でのアプリ構築
・「スマレジEC・B2B for kintone」プラグインの導入
・見込み顧客管理アプリ、受注管理アプリ、出荷情報管理アプリなどを設計・構築

3. システム連携設定の実施
・B2B → kintone:見積・受注・システムマスタ情報をkintoneに自動で一括取得・蓄積
・kintone → B2B:出荷情報や送り状番号を「スマレジEC・B2B」へ自動送信

4. 外部システム連携の検討(オプション)
・ ERP、会計システム、WMS、送り状発行システムなどとのAPI連携やCSVマッピング設定

フェーズ3:データ移行とテスト(C:Check – 動作検証)

1. マスタデータの整備と移行
点在していた顧客情報や商品情報をデジタル化し、kintoneおよび「スマレジEC・B2B」に統合登録

2. 総合的なテストの実施
・少数の取引先やテストデータで一連の業務フローを検証(発注、受注、kintone連携、ステータス管理、出荷情報送信)
・取引先ごとの価格や決済条件が正しく適用されるかを入念にチェック

フェーズ4:運用開始と定着化(A:Act – 改善)

1. 取引先への利用促進と周知
・スマホからの発注可否、リピート発注の容易さ、オーダーシート機能などを活用し顧客利便性を向上
・専任担当者による伴走サポートでWeb発注への移行を促進

2. 社内での定着化と改善
・専任担当者によるサポート(メール/電話/オンライン)で運用不安を解消
・kintoneに蓄積された受注ステータスや売買データを活用し、定期的に業務効率化や売上アップ施策(アップセル・クロスセル)を実施
・持続的な改善(PDCAサイクル)を回すことで運用を定着化

スマレジEC・B2B(旧 楽楽B2B)の主要機能詳細

スマレジEC・B2B は、BtoB取引ならではの複雑な商習慣に柔軟に対応できるECプラットフォームです。

取引先ごとの価格設定や販路制御、支払い方法のカスタマイズなど、多様なビジネス要件に合わせて運用できるのが大きな特徴です。ECサイト構築から受注・在庫管理まで、一連の業務を効率化します。

■ スマレジEC・B2Bの主な機能

掛け率・卸価格設定
商品ごとに、取引先別の掛け率や指値による価格設定が可能。細かな条件が必要な卸売取引にも対応できます。

販路・商品表示の制御
取引先によって表示する商品や価格を切り替えられます。
オープン・クローズドどちらのECサイト構築にも対応し、柔軟な販路戦略を実現します。

決済手段のカスタマイズ
取引先別に、請求書払い・クレジットカード・掛け払いなどの決済方法を設定可能です。

受注管理の自動化
Web受注により、これまで手作業で行っていた入力作業の手間を大幅に削減できます。
受注データの一覧化や個別登録にも対応しており、運用負荷を抑えます。

在庫管理・表示
在庫数の管理から、フロント画面での表示/非表示の切替までサポート。
ログイン状況に応じて在庫情報を見せ分けることも可能です。

ECサイト構築機能
デザイン性の高いBtoB ECサイトを構築でき、発注側の利便性も高めます。

見積書作成機能
取引先が自ら見積書を作成できるため、営業担当者の負荷削減にもつながります。

営業支援機能
Webアンケート形式で顧客ヒアリングができ、提案資料作成やアップセル・クロスセルをサポートします。

■ スマレジEC・B2B for kintoneの主な機能

見込み顧客管理
契約前のリード情報をkintone上で一元管理し、営業活動の進捗を可視化します。

売買データの自動集約
見積・受注・商品マスタ情報など、EC上で発生したデータを自動でkintoneに取り込み。
各店舗や顧客の過去取引をすぐに参照でき、データドリブンな営業活動が可能になります。

受注ステータスの可視化
出荷準備中、フォローアップ中など、受注の進捗をリアルタイムで把握可能。
対応漏れを防ぎ、業務のスピードと精度を向上します。

マルチデバイス対応
PCはもちろん、スマートフォンやタブレットでもスムーズに利用でき、外出先での確認や入力作業にも対応します。

導入費用について

「スマレジEC・B2B for kintone」の料金体系は以下の通りです(消費税10%適用後の税込料金を記載)。

初期費用:110,000円
月額費用:38,500円
年額費用:385,000円

上記料金には、初期設定時のオンラインサポート、運営サポート、バージョンアップ対応が含まれています。

ただし、kintoneアプリのカスタマイズや追加機能の開発が必要な場合は、別途お見積もりとなります。また、「スマレジEC・B2B」(旧:楽楽B2B)のご契約が別途必要です。

まとめ

「楽楽B2B for kintone」から名称を改めた 「スマレジEC・B2B for kintone」 は、BtoB受発注の自動化と、kintoneによる業務データの一元管理・可視化を同時に実現する強力なDXツールです。

特に、FAXや電話によるアナログな受発注業務に工数を割き、取引先ごとの価格設定や決済管理が煩雑になっている企業に最適です。

導入することで、受発注処理時間を最大50%短縮する成果が報告されており、業務効率化だけでなく、空いたリソースを新規取引先の獲得や営業活動に活用できるようになります。

プロジェクト成功の鍵は、まず自社の複雑な商慣習を整理し、取引先にとって使いやすいECサイトデザインと、kintone連携によるバックオフィス業務の自動化フローを綿密に設計することです。

このシステムは、アナログな受発注業務という「重い荷物」をクラウドという「軽量な車両」に乗せ替え、さらに kintone という「高性能なナビゲーションシステム」と連携させることで、これまで見えなかったビジネスの道筋を鮮明にし、効率的かつ持続的な成長を可能にします。

「売買データを活用して売上アップを目指したい……」
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上記のような企業様は、ぜひキャップドゥー・ジャパンまでお気軽にお問い合わせください。


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