株式会社アクアスミス様が kintone × マネーフォワード連携で申請ミスゼロの仕組みを実現、長野県で補助金実績トップクラスを支える業務管理とは


【事業内容】太陽光発電や蓄電池、V2H等の販売と工事施工
【本社】長野県佐久市塚原480番地1 小野澤テナント1B
【HP】https://acquasmith.co.jp/
【創業】2015年10月6日
【導入部署】全社
【導入ツール】kintone・マネーフォワード クラウド請求書・KAIZEN PDF Premium・Billitone
【導入時期】2022年8月
長野県全域で太陽光発電システム、蓄電池、V2Hの販売・工事を手がける株式会社アクアスミス。
「自然エネルギーでわくわくな暮らし」をコンセプトに、地域の「かかりつけ工事店」として2015年の設立以来、多くの家庭や企業にエコで安心な暮らしを届けてきた。
代表取締役の中村文哉様は、大手ハウスメーカー出身。前職では土地活用の営業として数多くの住宅を手がけた経験を持ち、その知見を活かして設立。現在は太陽光発電・蓄電池事業に加え、最近は不動産売買業もスタートし、事業の上流へと展開を広げている。
社員数は創業時の約2倍となる9名に成長し、長野県の太陽光・蓄電池補助金実績では県下トップクラス(2024年)の申請実績を誇る。
複雑な申請業務をどう管理し、事業を成長させてきたのか。中村様に話を伺った。

「複雑な申請業務」を管理する仕組みが必要だった
朝6時から夜12時まで、一人で全てを抱えていた創業期
創業当初、中村様は営業から工事、申請業務、さらには給与計算まで、全てを一人でこなしていた。
『朝6時から夜12時ぐらいまで動いてたような感じで、あ、これ多分本当に体力的に続けられないなって、それを助けてもらいたくて』
当時の顧客管理はGoogleスプレッドシートで行っていたが、『これだとどのメンバーがちょっと触っても簡単に変わっちゃう』——。個人情報を扱う上で、誰でも変更できてしまう環境は大きなリスクだった。加えて、データが飛んでしまわないかという不安も常にあった。
このままでは事業の成長どころか、大きなトラブルを生みかねない。中村様にそんな危機感が募っていた。
太陽光・蓄電池ビジネスの「複雑な申請フロー」
さらに、アクアスミスが手がける太陽光発電・蓄電池事業は、申請業務が非常に複雑だ。
電力会社の申請、経済産業省の申請、市町村の補助金申請、工事、そして工事後の申請——。
一つの案件が完了するまでに、複数の段階を経る必要がある。
このビジネスは一件あたりの経済的影響が大きい。補助金の申請ミスや売電申請の遅れは、お客様にも会社にも大きな損失をもたらす可能性がある。
中村様は、単にミスを防ぐだけでなく、万が一ミスが出ていたとしてもそこに気づける仕組み、みんなで情報を確認し合える仕組みが必要だと感じていた。
仕組み化の必要性は、日に日に強くなっていった。

IT導入補助金を活用し、kintone × マネーフォワード クラウドの連携を決断
中村様は前職の大手ハウスメーカーで、Salesforce(セールスフォース)を使った顧客管理を経験していた。『セールスフォースのようなツールで、もうちょっとコストパフォーマンスの良いものがあればと思っていました』——そんな思いを抱えながら、顧客管理システムとクラウド会計の同時導入を検討し始めていた。
2022年8月、中村様は当社へ相談を寄せていただき、オンラインでのお打ち合わせの中で、当社代表の森田は、kintoneとマネーフォワード クラウドの連携による提案を行った。顧客管理から会計までをスムーズに連携できる仕組みだ。
『森田さんが打ち合わせの時に的確に提案してくださったので、安心だなと思って、キャップドゥーさんにお願いさせてもらいました』
レスポンスの早さと、具体的な提案内容。そして何より、「この人になら任せられる」という安心感が、導入の決め手になり、IT導入補助金を活用し、kintone × マネーフォワード クラウドの連携による業務管理の仕組みづくりが、本格的にスタートした。

「ステータス管理」で申請ミスゼロ、月3日→1日の業務効率化
申請状況が「見える化」され、ミスに気づける体制へ
kintone導入後、最も効果を発揮したのが「ステータス管理」の仕組みだ。
電力会社申請、経済産業省申請、市町村補助金申請、工事、工事後申請——。それぞれの段階がkintone上で可視化され、誰がどの案件をどこまで進めているかが一目瞭然になった。
導入前は「したか、していないか」ぐらいのやり取りしかできなかったという状況だったが、今ではkintone内でステータスを変更するだけで、聞かなくても見える情報に対してコミュニケーションが取りやすくなった。『これはもう決まりそうだねとか、これはもう申請が終わってるの?とか、もう順調ですよとか』。進捗を共有する手間が大幅に削減された。
さらに、作業の平準化も実現した。kintoneの入力ルールを明確にすることで、誰でも同じ作業ができるようになった。属人化していた業務が、誰でも対応できる仕組みに変わったのだ。
『それを整えることができて、安心して今業務ができている』という中村様の言葉からは、ミスを未然に防ぐ仕組みがもたらした効果が分かる。
申請ミスゼロを実現した、3つの運用上の工夫
一つ目は、先ほど触れたステータス管理による進捗の可視化。
多段階の申請プロセスを、kintone上で段階ごとに管理することで、抜け漏れを防いでいる。
二つ目は、シンプルな選択肢設計。
『kintoneって思っていたよりこんなに何でもできるんだな』——導入当時、中村様はその機能の豊富さに驚いた。
しかし同時に、何でもできる環境は、反対に使い手を迷わせてしまうという課題にも気づき、多機能だからこそ、あえて選択肢を絞ってシンプルな構成にした。
その設計思想が、誰でも迷わず使える仕組みを実現している。
三つ目は、契約書作成の自動化。
弊社が開発・提供しているkintoneプラグイン「KAIZEN PDF Premium」を活用し、案件情報から契約書を自動生成する仕組みを導入している。手作業での転記ミスを防ぎ、書類作成の時間も大幅に短縮された。

月3日分の管理業務が1日に、人が増えても安心
導入効果は数字にも表れている。
『本当に一ヵ月の中の大事な2日~3日間程の時間をかけていた作業が、ぎゅっと1時間ほどに短縮されたような感覚』
月に3日分かかっていた管理業務が、わずか1日に短縮された。しかも、社員数は導入時の3〜4人から現在の9人へと約2倍に増えているにもかかわらず、だ。
人が増えることへの不安が、仕組みによって解消された。
中村様の役割は、細かな作業から「確認」へと変化し、スプレッドシート時代の「データが飛びそう」という不安から解放され、会社の情報資産がしっかりと蓄積されるようになった。
そして何より、中村様に「先を考える余裕」が生まれた。
『今のことがきちんとクリアだし、今のお客様の工事が何ヶ月先まであって、それの収入はこれぐらいだっていうのは見えてるから、ここの余裕分でこういうチャレンジしようっていうのができる』
目の前の業務に追われる日々から、先を見据えた経営ができるようになった。最近スタートした不動産売買事業も、この余裕があったからこそ実現できたと言える。
さらに、kintoneのデータは決算などの経営判断にも活用されている。『kintoneめちゃくちゃ大事に使っています』——中村様のその言葉通り、単なる案件管理ツールではなく、会社の基幹データとして機能している。
距離を超えた3年間の伴走支援、「いい意味で何もなかった」安心感
長野と熊本、距離を感じないサポート
2022年8月の相談から、約3年が経つ。
これまでのキャップドゥー・ジャパンの対応について尋ねると、中村様は少し考えたあと、こう答えた。
『何かあるといいけど、いい意味で何もなかったですね~笑。不満が全然ないから』
中村様は、サポートについてこう振り返る。「何もなかった」——それは、トラブルや不満がなかったという意味だ。
『渡辺さんすごく言いやすいから、あと対応も早いし』。何か困ったことがあればチャットワークですぐに相談でき、担当の渡辺の対応やレスポンスの速さにも安心感があるという温かい言葉をいただいた。
長野と熊本。物理的な距離は約1,000km離れているが、「九州の人とやり取りさせてもらうのは楽しい」というくらい、オンラインとチャットでのサポート体制によって、距離を感じることはなかったという。
仕事のやり取りでありながら、楽しさも感じられる関係性。それが3年間続く信頼関係の基盤になっている。
スポーツを通じた共感、地域への想い
中村様は、地元長野のF(フットサル)リーグチーム「ボアルース長野」を応援しているそうだ。一方、当社は、Jリーグの「ロアッソ熊本」を応援しているというインタビューの中で、まさかの共通の話題を見つけた。
地域のスポーツチームを盛り上げたいという想い。
それは、長野と熊本、離れた場所にいても共感できる価値観だ。
仕事だけでなく、人としてのつながり。そんな関係性が、プロジェクト成功の一つの要因になっているのかもしれない。
➤「F(フットサル)リーグ」とは
Fリーグ(F.LEAGUE)は、日本フットサル連盟が2007年に創設した国内最高峰のフットサルリーグ。全国各地のクラブが参加し、屋内5人制ならではのスピード感と緻密な戦術でシーズンを争う。サッカーのJリーグと同様にホームタウン制を採り入れ、地域に根ざした活動をしています。
「Fリーグ」公式サイト:https://www.fleague.jp/
➤「ボアルース長野」とは
ボアルース長野(Boaluz Nagano)は、長野市を拠点とするFリーグ加盟クラブである。2011年に発足し、2018/19のF2初年度優勝でF1昇格、2022年度に降格も2024年度はF2を無敗優勝して、2025年度からF1に復帰。クラブ名は BOA(善い)+ LUZ(光)に由来し、「皆に善い光が射す」を掲げ、規律・挑戦・笑顔・感謝を大切に地域へ活力を届ける。
「ボアルース長野」公式サイト:https://boaluz-nagano.com/
さらなる仕組みのバージョンアップへ、新たな挑戦とともに
3年間で基盤を整えたアクアスミス。しかし、中村様の目は既に次のステップを見据えている。
今後の構想として、営業のインセンティブ計算を案件の完了ステータスと連動させたいと語る中村様。業務の完了を徹底させると同時に、公平な評価制度を実現する仕組みを考えている。
そして、最近スタートした不動産売買事業にも、この仕組みを活かしていきたいと考えている。そんな中村様に、『またさらなるステップアップもいいかもしれないですね』と当社代表・森田が声をかけると、『ぜひ』と笑顔で応えたその表情には、新たな挑戦への意欲がにじんでいた。
『この仕組みがなかったら、今の体制は築けなかった』——。そう振り返る中村様の言葉には、確かな実感が込められている。
長野県で補助金実績トップクラスの実績。地域のかかりつけ工事店としての信頼。
それらを支える土台の一つが、kintone × マネーフォワード クラウドの仕組みだ。
安心して業務を進められる今があるからこそ、次のチャレンジができる。仕組み化の先にある事業の成長への期待を胸に、アクアスミスは新たな一歩を踏み出す。
長野と熊本。1,000km離れた距離を超えて、地域スポーツへの想いを分かち合いながら。
中村様と当社の伴走は、新たな事業展開とともに、これからも続いていく。

活用事例